Classic / Old Mac エミュレーターの Apple Silicon 対応状況

Classic / Old Mac エミュレーターの Apple Silicon 対応状況

みなさん、古いコンピューターはお好きでしょうか。

ちょっとマニアックな、Classic / Old Mac を動かすエミュレーターApple Silicon 対応状況と動作の可否を調べてました。

趣味です。趣味。

最新の ARM64 で動作する iMac で macOS の起源にあたる古い OS を動作させるというのはロマンに溢れる行為なのです。誰になんと言われようとも。

SheepShaver

Power Macintosh エミュレータである SheepShaver

2021年6月12日の Build から Apple Silicon にネイティブ対応した Universal(x86_64 & arm64)アプリケーションになっています。素晴らしい。

E-Maculation Forums の SheepShaver builds for Mac OS X, links and downloads スレッドから最新の Build を入手できます。

New World ROM を使って、Power Macintosh 9500 をエミュレーションして MacOS 9.0.4 の起動を確認しました。


Basilisk II

Motorola 68000シリーズベース(68k)の Macintosh エミュレーターである Basilisk II

2021年4月28日の Build から Apple Silicon にネイティブ対応した Universal(x86_64 & arm64)アプリケーションになっています。素晴らしい。

E-Maculation Forums の BasiliskII builds for Mac OS X, links and downloads スレッドから最新の Build を入手できます。

Macintosh IIciOld World ROMMac OS 7.6 の動作を確認しています。


Mini vMac

Macintosh 128K、512K、512Ke、Plus、SE、Classic のエミュレーターである Mini vMac シリーズ。

Beta版Apple Silicon 向けの Build が提供されていますが、Apple Developer ID による署名がされていないなどの理由でそのままでは起動できません

OS X 10.8 で追加され、macOS 10.14.5 でより厳しくなった Gatekeeper による公証、macOS 10.12 から導入されたパスのランダム化(サンドボックス化)の制限を回避するために xattr コマンドで Mini vMac.app の拡張属性を変更(破棄)することで起動できるようになります。

$ xattr -cr /YourPathTo/Mini\ vMac.app

めんどくさいひとは開発者IDで署名済みの Intel 向けの Build を Rosetta 2 で動かしてもいいかもしれません。エミュレーションする対象が Classic Macintosh なので Rosetta 2 経由でも十分なパフォーマンスで動作します。

Intel バイナリで書かれた 68k プロセッサのエミュレーターが ARM64 上でさらに Intel CPU エミュレーションで動作しているわけですから、Rosetta 2 の凄さを感じますね。

Macintosh II エミュレーションした Mini vMacMacintosh II Old World ROM を使って 漢字Talk 6.0.7 の起動を確認


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68Kベースの NeXT のエミュレーターである Previous
開発は継続されているようですが、Apple Silicon 向けの Build はないようです。Intel 向けの Build を Rosetta 2 経由で起動できることを確認

NeXTstation(および NeXTstation Color)をエミュレーションさせて NeXTSTEP 3.3 と OPENSTEP 4.2 の起動を確認しています。

macOS の直系の祖先であり、Classic でも old でもなく言うなれば Ancestor of macOS とも言える環境。

NeXT がなければ今の macOS は存在しないし、ティム・バーナーズ=リー が NeXT 上で World Wide Web の実装を行なったからこそ現在のようなインターネットが存在していると言っても過言はないわけです。さらにオブジェクト指向プログラミングにおいても NeXT と OPENSTEP を抜きに語れません。

そんなわけで、どうしても手元で動かしたかったのでしたが動いちゃいましたね。
ちなみに原初の Web ブラウザである NCSA Mosaic も動作しましたが、Previous 自体のネットワークの設定がうまくいかずブラウジングは断念。

まだ手に入れることが出来ていないのですが、いつか Windows 上で動作する OPENSTEP(フレームワーク)を動かしてみたいものです。

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