SHARGE Disk Plus NVMe SSD エンクロージャーレビュー

基本的にレビュー依頼はほとんどお受けしていないのですが、今回ご縁がありまして SHARGE(シャルジュ)から Disk Plus NVMe SSDエンクロージャーをご提供頂いたのでレビューをお届けします。
SHARGE 自体は以前から知っていて、スケルトンデザインの大容量バッテリーのデザインが好みで気になっていたメーカーです。先日リリースされたケーブル巻取り式のモバイルバッテリー Retractable 3-in-1 Power Bank のデザインもすごく好み。NOTHING の phone (3) と合わせたらとても良さそう。
デザインとバッテリーの話になっちゃいましたが、今回はモバイル NVMe SSD ケース SHARGE Disk Plus のレビューです。
今回、本体だけでなくオプションのアクセサリも一緒に送っていただきました。後半でアクセサリについても取り上げていきます。
目次
概要
Disk Plus NVMe SSDエンクロージャー自体は、NVMe M.2 SSD(2230〜2280)に対応した USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)接続のモバイル SSD ケースです。
USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)接続のモバイル SSD ケースは世に数えきられないほどありますが、SHARGE Disk Plus には他のケースにはない特徴があります。
- ほぼクレジットカードサイズのコンパクトで薄型のフラットな筐体
60mm x 93mm で厚さは 6mm。NVMe エンクロージャーとして最小、最薄クラス。 - 給電用の USB-C ポートを備えパススルー給電に対応
100W 入力、85W 出力に対応。 - USB-C ケーブルが本体収納型
筐体に収納できる 8.5cm のフラット型 USB-C ケーブルが付属。 - オプションの磁気パッド + 磁気リングによる Magsafe 的な吸着に対応
コンパクトなだけでなくモバイル利用時に便利な機能が付加されているのが魅力。
特にパススルー給電対応は、スマホやコンパクトPC利用時にものすごくありがたい機能だったりします。
パッケージ
パッケージにはマニュアル(日本語あり)、本体、合皮製のケース、T3 ドライバー、予備の T3 ネジ、グレーのサーマルパッドと透明な粘着シートが付属します。
透明な粘着シートは高さ調整用でしょうか。マニュアルにはサーマルパッドの説明しかなくちょっと使い所がわかりませんでした。
また持ち歩き用のケースが付いてくるのが嬉しいですね。モバイル用途を意識した製品なのがよくわかります。
本体以外はすべてチャック付きのポリ袋にそのまま入ってます。予備ネジも剥き出しで入っているので、取り出す際は気をつけてください。また、サーマルパッドの台紙カットが雑なのはレビュー機だからかな...。私にはあまり気にしませんが、気になる人は気になるかもしれません。
本体
SHARGE Disk Plus 本体は熱伝導性の高いアルミニウム製。各種チップ、NVMe SSD の熱はケース上蓋を通じてケース全体で放熱するデザインです。
本体はアルミニウム製でケース全体で放熱する。
COSTCO のメンバーズカードとの比較。カードより少し大き目のサイズ感。
フットプリントはクレジットカードや一般的なメンバーズカードより少し大きめのサイズ感。このクレジットカードのサイズ感は日常的に馴染みがあるからか、とても取り扱いやすいです。「探しやすい」というか「持ち慣れている」とでも言ったらいいんでしょうか。
完全にフラットなデザインに 6mm という薄さも相まって非常に取り回しのよい筐体になっています。
ケースにはフラット型の短い USB-C ケーブルが収納可能でワンタッチで取り出せるようになっています。この USB-C ケーブルは 8.5cm と短いですが SHARGE Disk Plus 本体に収納されているので「ケーブルを探す手間」や「ケーブル持ってくるの忘れた」なんてことを心配しなくていいのは心強いです。
NVMe SSD の取り付けなどは特に難しいことはなく、初めての人もマニュアル通りやれば困ることはないです。
対応する M.2 NVMe SSD
M.2 NVMe 対応規格 | 2230 / 2260 / 2280 |
---|---|
最大容量 | 2TB |
PCI-Express バージョン |
PCIe 3.0(Gen3) |
ただ、ネジがトルクス(六角星形)です。T3 のドライバーが付属しているとはいえ、SSD ケースとしてはトルクスネジの採用は珍しいですね。自分でT3ドライバーを持っていない人は、付属のT3ドライバーは将来のために保管しておきましょう。
ベンチマーク
PCIe Gen4 対応の KIOXIA の EXCERIA PLUS G3 を入れてベンチマークを取ってみました。
EXCERIA PLUS G3 はカタログスペック上ではリード 5,000MB/s、ライト 3,900 MB/s の M.2 NVMe SSD。10Gbps のケースである SHARGE Disk Plus にはオーバースペックですが 10Gbps の速度がちゃんと出るか見てみます。
Windows 11 Pro での計測結果。
macOS での計測結果。
Windows 環境で安定して 970 MB/s ぐらいの速度となりました。1,000MB/s に肉薄する速度が出せています。10GBbps 対応ケースとして遜色ないと言ってよいかと思います。
USB 3.2 Gen 2x1(10Gbps)は理論値で 1,250MB/s。搭載する NVMe のキャッシュなどにも左右されますが実測値で 1,000MB/s が目安(上限)になります。
搭載チップ
SHARGE Disk Plus の NVMe SSD と USB 3.x のブリッジはおそらく RTL9210 シリーズだと思われます。
というのも、チップにはサーマルパッドが貼ってあった関係で、サーマルパッドと印字部分が熱で反応して褪色していて判別できませんでした。
よく見るとお馴染みのカニのロゴが見えるので、Realtec 製のチップ。スペック的には USB 3.2 Gen2 対応の USB ブリッジ PCI Express(PCIe)コントローラである RTL9210 シリーズでしょう。
RTL9210 は初期のころは接続の安定性に問題がありましたが、ファームウェアなどの改善も進んで今となっては安定の定番のチップセットです。
パススルー給電
SHARGE Disk Plus は、データ接続用の USB-C(USB-C1)ポートに加えてパススルー給電のための USB-C(USB-C2)ポートを備えます。
USB-C1 ポートに iPhone 16 Pro を接続し、USB-C2 ポートから PD 給電をしてみたところ、iPhone に給電しながら利用可能でした。

2つの USB-C ポートは役割が異なり、給電専用の USB-C2 ポートにスマホやPCを接続してもディスクとして認識されませんので注意してください。
マニュアルによると、給電に関する仕様は以下の通り。
USB-C2 ポートの電力供給が充分な場合、15W の電力を優先的に本製品から SSD に供給し、残りの電力は USB-C1 ポートから出力されます。
本体裏面には「USB-C2 Input / 100W(MAX)USB-C1 Output / 85W(MAX)」の印字があり、PD は 100W 入力、85W 出力という仕様のようです。
このパススルー給電は USB-C ポートが少ないモバイル PC やモバイル端末、そしてスマホでの利用時にものすごく助かる機能です。
地味に思えますが「パススルー給電ポートがある」というのは SHARGE Disk Plus の大きな魅力です。
iPhone 16 Pro はカメラとしても優秀なので動画の撮影をすることがあります。録画が数時間にもなると USB-C 外部のディスクに動画を記録しながら、iPhone にも給電したいというシチュエーションが発生します。
今まではパススルー給電に対応した USB-C ハブを使って給電と外部ディスク録画を実現していましたが、SHARGE Disk Plus なら USB-C ハブが必要なくなりそうです。
磁気パッドと磁気リング(オプションアクセサリ)
公式オプションアクセサリであるマグネットマットとマグネットリングを使うことで、磁力で任意の場所に SHARGE Disk Plus をマウントできるようになります。
iPhone シリーズであれば Magsafe を利用して iPhone 背面にマウント可能になります。その他のデイバイスで利用したい場合には磁気リングを使うことで Magsafe のように利用できるようになります。
逆に言うと SHARGE Disk Plus 本体だけでは、Magsafe のような使い方はできません。
パッケージにはSHARGE Disk Plus 本体に貼り付けるマグネットマットと、SHARGE Disk Plus を設置したい場所に貼り付けるマグネットリングが2つ。

マグネットマットの粘着面。マグネット吸着のための磁気リングが見える。
マグネットマットを SHARGE Disk Plus の裏面に貼り付けたところ。
SHARGE Disk Plus 本体ケースが最初から Magsafe に対応していたらいいのですが、その分だけ本体が薄くシンプルになっていると思うと難しいところです。
オプションアクセサリですが、iPhone の Mgasafe や Qi2 に対応した Android スマホと合わせて使いたい場合には併せて買っておいて損はないです。
USB-C L字ケーブル(オプションアクセサリ)
もうひとつの純正のオプションアクセサリが SHARGE DiskPlus 90度 L字型ケーブル です。USB-C コネクタが L字型になっているショートケーブルです。
長さ 7.5cm、USB 3.2 Gen2x1 の 10Gbps、USB Power Delivery の 240W 給電に対応します。

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SHARGE Disk Plus 付属のきしめん型 USB-C フラットケーブルは縦方向の折り曲げに抜群の安定感がある一方、横方向には曲げづらいため取り回しが悪いシチュエーションがあります。


こういったケーブルの取り回しを解決してくれる純正の USB-C ケーブルですが、あんまり特筆すべき特徴はありません。
サードパーティからも類似のケーブルは販売されている中、SHARGE Disk Plus 専用アクセサリとしてパッケージを用意するあたり SHARGE 気合い入っているなーという感じです。
総合評価
SHARGE Disk Plus は、モバイル利用を意識した PC でも スマホでも使いやすい M.2 NVMe SSD エンクロージャーです。
エンクロージャーなので NVMe SSD は自分で用意する必要がありますが、余った NVMe SSD でモバイル利用の SSDケースにしたいといったニーズにはぴったりです。同じセグメントの他社製品は SSD 内蔵型が多いので「モバイル SSD エンクロージャー」というのは実は貴重な製品だったりします。
給電用の USB-C ポートでパススルー給電もできるし、USB-C ケーブルは本体に収納可能で持ち歩き用のケースも付属。ただの NVMe SSD エンクロージャーではなく、モバイル利用を強く意識した機能や付属品も魅力的でした。
評価ポイント
- コンパクトで薄く、放熱性に優れたアルミニウム製のケース
- フラットデザインでカードサイズのケースは非常に取り回しが良い
- モバイル利用時に便利な機能や付属品
- ケーブルを本体に収納可能
- 給電ポートからのパススルー給電が可能
気になるポイント
- インターフェイスは USB 3.2 Gen2x1 の 10Gbps
- 搭載可能な NVMe SSD の最大容量は 2TB まで
- Magsafe 対応にはオプションアクセサリが必要
- マグネットパッドをつけると少し厚みが出て重くなる
もっとも気になるポイントは Magsafe 対応の件かなと思います。わがままは承知ですが、オプションアクセサリなしで Magsafe に対応できていたら最高でした。
スペックについては価格帯的には充分許容範囲ですが、USB 3.2 Gen2x2(20Gbps)対応や最大容量 4TB 対応もあったら嬉しかった。
いや、4TB の NVMe SSD はまだ高いし、USB 3.2 Gen2x2 は対応する PC やスマホの数が少ないので製品コンセプトからすると余計な機能(オーバーススペック)かもしれませんね。
私のところでは、余っていた 1TB の NVMe SSD(KIOXIA EXCERIA G2)を入れて日々活躍してくれています。

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