Thunderbolt / USB 接続の NVMe M.2 SSDケースレビュー

Thunderbolt / USB 接続の NVMe M.2 SSDケースレビュー

もともと Transcend の TS2TMTE220S を激安の USB 3.1 接続ケースで使ってたんですが、この組み合わせはともかく安定しなかった。

紆余曲折を経て、Thunderbolt / USB 接続の NVMe M.2 SSD ケースを買いました。Thunderbolt 接続は高速だし、とても安定しているので満足しています。

せっかく M1搭載 iMac 24インチを使っているのだから Thunderbolt 4 / USB4 を探してみましたが、現在 Thunderbolt 4 / USB4 準拠の SSD ケースやストレージは市場に出ていないようです。

いろいろ調べて選んだのは Yottamaster USB4.0 NVMe M.2 SSD ケース SO3-C4

もう少し安く買える Thundebolt 3 ケースでも良かったんですが、

  • Thunderbolt 3 と USB 3.x 両方で接続ができること
  • TS2TMTE220S は両面実装なので取り付けスペースに余裕があること
  • 実績のあるコントローラーを搭載していること

といったところが決め手になりました。

Unboxing

マニュアル、Type-C ケーブル、Type-C to USB A ケーブル、厚さ 2mm のシリコンサーマルパッド、持ち歩き用のストラップ、プラスドライバーが付属します。

Type-C ケーブルの端子には USB4 っぽいロゴが書いてあり 40Gbps の USB4 ケーブルのようです

両面実装 NVMe SSD である TS2TMTE220S の取り付けにも余裕がある。

付属ケーブルの謎ロゴ。USB Power Delivery(電力供給)や DisplayPort over USB Type-C(映像出力)のスペックは不明。

USB 4.0 という謎

Yottamaster は "USB4.0 NVMe M.2 SSD ケース" と名打っていますが、実態は Thunderbolt 3 コントローラー(Intel JHL7440)と USB 3.1 Gen2 コントローラー(JMicron JMS583)が載った Thunderbolt 3 / USB 3.1 Gen 2 ハイブリッド SSDケースです。

Thunderbolt 3 接続用コントローラー Intel JHL7440(Titan Ridge)

USB 3.x 接続用 PCIe/NVMe ブリッジコントローラー JMicron JMS583

そもそも USB4.0 という規格名は存在しないので、USB4.0 という名乗りに意味はありません。この SSD ケースを Thunderbolt 4 / USB4 準拠と紹介してはダメでしょう。

OWS の外付け SSD ドライブ Envoy Pro FX も同じような Thunderbolt 3 + USB 3.2 Gen 2 ハイブリッド構成ですが、Thunderbolt 4 や USB4 ドライブとは言っていません。 

ThunderboltやUSBを搭載したMacやPCに、未来のThunderbolt 4 および USB4 搭載マシンにも、iPad Pro、Chromebook、Surfaceデバイスにも接続できます。

製品ページでは Thunderbolt 4 と USB4 に互換性があると言っているだけです。正しい。

正式に Thunderbolt 4 / USB4 準拠を名乗れるのは Thunderbolt 4 コントローラーである Intel JHL8440(Goshen Ridge)を採用した製品からになると思いますが、コロナ禍における半導体不足の影響か市場にはまだ限られた数しか出回ってないようです。

とはいえ Thunderbolt 3 + USB3.1 Gen 2 のハイブリッド構成は Thunderbolt 4 / USB4 互換と言えるし、OWS 製品でも採用されている構成なので、それほど突飛な構成の製品ではなさそうです(このリファレンスを作ったのはどこなんだろう?気になるところではあります。)

Thunderbolt 3 Benchmark

まずは Thunderbolt 3 接続の簡易ベンチマーク。
ディスクは 85% 利用済みだし、iMac には他にも機器が接続されてる状態なので目安としてください。

AmorphousDiskMark の実行結果。

Blackmagic Disk Speed Test の実行結果。

TS2TMTE220S の最大リード 3,500MB/s、ライト 2,900 MB/s には及びません。
理論値比でリード 75%、ライトは 40% 程度の速度となっています。

 Thunderbolt 3 の 40Gbps 接続で PCIe Gen3 対応のケースなので、もう少しカタログスペックに近い数字が出て欲しいところですが「M1 搭載 Mac では外付け SSD ドライブの速度が低下する」というが報告されているのでこんなものでしょう。

ライト性能が特に低下する傾向も既報の通りで、このケースというより Mac 側の問題のようです。

Apple M1 シリーズチップの設計や仕様なのか、macOS Monterey のドライバが原因なのかはまだわかっていません。Thunderbolt だけではなく USB 接続でも同様の現象が報告されているようです。

現在のところ、Apple M1 シリーズ搭載の Mac は Intel Mac や Windows PC と比べて外付け SSD のパフォーマンスをフルに活かせないようです。今後のアップデートなどで改善されるといいのですが。

とはいえ、USB 接続した HDD や SATA SSD に比べたら十分高速です。

USB 3.1 Gen2 Benchmark

次は USB 3.1 Gen2(10Gbps)接続のベンチマークです。

iMac の Thunderbolt / USB4 ポートではない Type-C ポートにつないでいます。

AmorphousDiskMark の実行結果。

Blackmagic Disk Speed Test の実行結果。

リード、ライト共に約 800MB/s でした。USB 3.1 Gen2 で 1,000MB/s くらい出る NVMe SSD ケースもありますが Apple M1 シリーズ搭載の Mac の速度低下問題もあるので、こんなものでしょう。

USB 3.1 Gen2 で接続していると、何度も接続が切れてディスクがアンマウントされる現象に遭遇しました。これは以前使っていた USB 3.1 Gen2 の NVMe SSD ケースと同じ問題です。以前のケースも実は JMicron JMS583 チップでした。

この現象が JMS583 の問題なのか、NVMe SSD との相性なのか、Mac の問題なのかはよくわかりません。ケーブルの影響なども考慮しはじめると原因になりえる要素が多すぎます。個人的には Mac の USB マスストレージクラスドライバーに問題(相性)があるような気がしていますが…

このケースに限りませんが、Mac で外付け NVMe SSD ストレージを利用するなら、速度的にも安定性的にも Thunderbolt 3 接続を強く勧めます

Temperrature

NVMe SSD にサーマルパッドを貼り付けて組み込んだ状態のアイドル時は32℃(室温 21℃)。

$ smartctl -a /dev/disk6 | grep Temperature:
Temperature:                        32 Celsius

ベンチマークで負荷がかかっている状態で36〜39℃程度。

$ smartctl -a /dev/disk6 | grep Temperature:
Temperature:                        39 Celsius

組み込む NVMe SSD の種類によって温度は変わりますが、アイドル時と高負荷時の温度差が 7℃なので、ケースは効率的に排熱していると言えそうです。

ちなみにサーマルパッドを貼っていないとアイドル時 42℃ / 高負荷時 68℃で、温度差は 26℃にもなりました。サーマルパッドは貼りましょう

現在は エルゴトロン LX デスクマウントアームにマジックバンドで固定しています。アームはアルミニウム製なので、SO3-C4 の熱をさらに逃すことができます。

付属の短い Type-C ケーブルですっきり配線できます。

背面から。マジックバンドでアームに密着させている。

上面からの俯瞰。配線もスッキリ。

More detail

Thunderbolt 3 接続時に iMac からどう見えているかシステムレポートで確認してみます。

Thundebolt/USB4 装置ツリー、NVMExpress 装置ツリーでこのケースの詳細を確認できます。Thunderbolt 3 で 40Gb/s、リンク速度は 8.0GT/s。

Thunderbolt 3 による PCIexpress レーン接続なので内蔵の NVMexpress と並んで表示されているのが興味深いですね。USB 接続のストレージデバイスはここに表示されることはありません。

Thundebolt/USB4 装置ツリー。装置名で USB4.0 SSD を名乗っているのが面白い。

NVMExpress 装置ツリー。Thunderbolt 接続なので内蔵 SSD 扱いになっている。

Thundebolt/USB4 装置ツリーの機器名に「USB4.0 SSD」とありますが、これはこのケースの名前であってメーカーが自由に名乗れます。USB4.0 という謎規格で認識されているという意味ではないので注意。

Review Conclusion

Thunderbolt 3 / USB 3.1 Gen 2 ハイブリッド SSDケースとしてとても安定していておすすめできます。

Thunderbolt 4 / USB4 準拠と誤解させるような USB 4.0 という謎規格を名乗るのはいかがなものかと思いますが…。

Thunderbolt 3 だけでなく USB 3.x でも接続する場面があるなら、このケースはとてもよい選択肢です。

 評価ポイント

  • Thunderbolt 3 でも USB 3.x でも接続可能
  • Thunderbolt 3 接続時の安定性の高さとパフォーマンスの高さ
  • 実績もあり、信頼性も高いチップ構成
  • 小さく、軽く、見栄えもいいデザイン
  • 放熱効果の高いケース
  • 豊富な付属品

 気になる点

  • NVMe SSD との相性がある
    Crucial SSD P2シリーズ(おそらく P3シリーズも)、Lexar NM620 を認識しない
  • Mac に USB 3.2 Gen2 で接続すると不安定な場面がある
    Mac との相性問題で他の USB 3.2 ケースでも発生します
  • USB 2.0 には非対応
  • Apple M1 シリーズチップ固有の速度低下がある
    このケース固有の問題ではありません
  • Thunderbolt 4 / USB4 準拠と誤解させるような USB 4.0 というネーミングセンス
  • Thunderbolt 3 専用や USB 3.2 Gen2 専用のケースよりも割高

ぶっちゃけ、ちょっとニッチな製品ですが「Thunderbolt 4 / USB 4 のようにとりあえず Type-C で繋げばどんな PC でも使える」ストレージケースというのは、とても魅力的じゃないでしょうか。

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